国宝と重要文化財の違いを説明して!と言われたら説明できますか?
なんとなく、国宝のほうが高級で、重要文化財は国宝よりちょっと劣る感じ。
「ガ○ガ○君」と「○リ○リ○リッチ」くらいの差?
みたいに、カナリふんわりとした説明しか出来ない人が大半じゃないでしょうか。
そこで、今回は国宝と重要文化財の違いや定義について説明していこうと思います。
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重要文化財と国宝の違い!
〜重要文化財の定義〜
日本に所在する建造物・美術工芸品・歴史的資料などの有形文化財のうち、
歴史上、芸術上の価値の高いもの、学術的に高いものを文化財保護法に基づき、
日本国政府が指定した文化財を示すとしています。
また、重文(じゅうぶん)と略されることも多いです。
〜国宝の定義〜
国宝は重要文化財の中でも特に価値の高いもので、
世界的に価値があると判断された後に文部大臣によって認可されます。
国宝は国家が世界的に価値のあるものだと判断し認めたうえで管理・保護をしています。
そして売買するときは文化庁に書類を提出しないといけないのです。
そういえば、明治時代の初期には昔の貴重な日本文化が大量に海外に流出してしまいましたからね~。
そういった過去の辛酸もあってのことなのでしょう。
日本の名刀『天下五剣』には仲間はずれがいる?
今、刀剣女子たるものが存在しているようです。
元々は刀剣乱舞というゲームで、
刀剣がイケメン化したキャラクターがいっぱい出てくるというオンラインゲームが発端です。
その名の通り、刀剣類が好きな女子たちのことを言うそうです。
きっと彼女たちは知っているだろう、
日本には天下五剣と言われている剣があります。
それではその5つの剣を紹介していきますね♪
1.童子切安綱(どうじきりやすつな)
ざっくり説明しますと、源頼光(みなもとのよりみつ)が酒呑童子(しゅてんどうじ)と言われている鬼の首を切り落としたことからその名がつけられたそうです。
2.三日月宗近(みかずきむねちか)
平安時代の刀工、三条宗近の作品で日本刀としてはもっとも古い物の1つで「天下五剣」の中では最も美しいとされています。
伝来については、諸説あるものの確かな資料が残っていません。
3.鬼丸国綱(おにまるくにつな)
鎌倉時代初期、山城国の京粟田口派の刀工で、粟田口六兄弟の末弟である国綱の作と言われています。
鬼丸と命名したのは、北条時頼が毎晩子鬼に悩まされているのを、夢に老翁となって出てきた国綱が時頼に錆を拭いて欲しいと頼んだ。
その後、子鬼は夢に出てこなくなった、そこから鬼丸と命名されたと言われています。
4.数珠丸(じゅずまる)
日蓮が甲州身延山(みのぶさん)に入山したときに信者から護身用として贈られたもの。
柄に数珠が掛けられていたことから、その名がついたとされています。
5.大典太(おおてんた)
元々は足利将軍家の家宝でしたが、その後豊臣秀吉に渡り前田利家に贈られたという説と、豊臣秀吉が徳川家康に贈り、徳川秀忠から前田利家に譲られたという説があります。
さて、長々と書いてきましたがこれら天下五剣の中で一本だけ国宝ではない物があります。
さてどれでしょうか?
正解は数珠丸!
どういうわけか、
これだけ国宝ではなく重要文化財なのです。
(鬼丸国綱は皇室所有のため含めません)
世界遺産と国宝と重要文化財の違いは?
日本では今年も世界遺産に国立西洋美術館が認定されました。
毎年のように認定されているような気がしますが、選ばれること自体は悪いことではないかと思います。
世界遺産は世界遺産条約に基づき、
主に遺跡・景観・自然が共有すべき普遍的な価値を持つ不動産のことで、
国宝や重要文化財と違うところは、
不動産に限ったものではなく、歴史的に重要で貴重なものを全て含まれるということです。
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*6つに分類される文化財*
文化保護法では文化財を、
- 「有形文化財」
- 「無形文化財」
- 「民俗文化財」
- 「文化的景観」
- 「伝統的建造物群」
の6つに分類し、国や地方自治体の指定、選定、登録の有無にも関わらず、
有形無形の文化遺産全般を文化財とよんでいます。
有形文化財と無形文化財の違い
<有形文化財>
文化財保護法第2条1項第1号では、
建造物、絵画、彫刻、工芸品、書籍、典籍(てんせき)、古文書、その他有形の文化的所産で、
日本国にとって歴史上または、芸術上価値の高いもの、
同時に考古学資料や学術的に価値の高い歴史資料を有形文化財としています。
<無形文化財>
日本の文化財保護法第2条1項第2号では、
演劇、音楽、工芸技術、その他の文化的所産で、日本国にとって歴史上又は芸術上価値の高いものを無形文化遺産と定義しています。
2つの文化財の保護方法
有形文化財と無形文化財には共に国による地方公共団体による保護があります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
〜有形文化財の国による保護の場合〜
国による保護は、文部科学大臣による有形文化財の中で特に重要なものは重要文化財に登録や、
さらに価値の高いものには国宝として指定することができます。
文部科学大臣が国や地方公共団体の指定をうけていない有形文化財のうち、保存と活用が特に必要なものに対して、
文化財登録原簿に登録するというのが、1996年に文化財保護法改正案により登録有形文化財制度が創設されました。
〜有形文化財の地方公共団体による保護の場合〜
地方公共団体は条例を定め地方公共団体にとって重要なものを指定します。
指定されたものは、「○○都道府県指定有形文化財」や「市町村指定有形文化財」などで定めています。
〜無形文化財の国による保護の場合〜
文部科学大臣は無形文化財のうち重要なものを
「重要無形文化財」に指定することができ、文化庁長官は、重要無形文化財の保存のため必要があるときは、
重要無形文化財についての記録を作成、伝承者の養成その他、保存のための必要な措置をとることができます。
文部科学大臣は、重要無形文化財を指定するに当たってはその重要無形文化財の保持者または、保持団体を認定しなければいけません。
いわゆる人間国宝ってやつです。
この「人間国宝」という言葉は、
市川海老蔵氏が言ったことで有名になりました。
「おれは人間国宝だぞ! オレなんか国から60まで2億もらえる」なんて暴言を吐きやがりました。
もう剥奪してもらいたいものですね。
しかし発言は6年も前とかなり昔なので若気の至り的なものだったのでしょう。
まあ、寛大な心で許してあげます。
文化庁長官は、重要文化財以外の無形文化財のうち特に必要なものを選択して、
その記録を作成・保存・公開するための措置を講ずることができます。
民族文化財とは?
民族文化財とは、資料性が高く保存する必要があったりするものを、
国や地方公共団体が文化遺産保護制度の一環として指定したものです。
大きく分けて有形と無形の民族文化財に分けられ、それぞれに重要有形民俗文化財と重要無形民俗文化財があります。
重要有形民俗文化財と重要無形文化財の違い
重要有形民俗文化財は主に衣食住、生業、信仰などにかんする風俗習慣・民族技術などの
無形の民族文化財に用いられる衣服・器具・家屋などで特に国が重要なものとして指定したもの。
重要無形民俗文化財は人々が
日常生活の中で生み出し継承してきた民俗文化財のことです。
重要無形文化財で有名なものといえば、
なまはげという文化があることは聞いたことあるでしょうか?
大晦日に秋田県男鹿市と三種町、潟上市の一部の各家々で行われる伝統的な民俗行事です。
ただ、今このなまはげにも若手のなり手がいなくて、困っているというのを聞いたことがあります。
文化財の1つ史跡の定義
多分これを読んでいる方の家の近くにも探せばあるのではないでしょうか。
私の実家の近くにはあまり大きくない(小さい)古墳がありました。昔子供の頃に登ったのを覚えています。
史跡というのは、文化財の種類の1つであり、
貝塚・古墳・都城跡・城跡・旧宅などの遺跡に該当するもので、歴史上、学術上価値の高いと認められ保護が必要なものを国が指定したものです。
ちなみに、城跡には心霊スポットも多く、もし行くのならば昼間にしたほうがいいのかもしれません。
色々まとめてきましたが、かなり複雑な印象を持ちましたね。
日本は歴史が長い国様々な文化や伝統があります。守っていくべきものは守っていくべきだと思いました。
今回の国宝と重要文化財の違い、少しでも参考になれば幸いです♪
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