思いがけないシーンでついやってしまうのが、『やけど』
ちょっと指を切ったぐらいのケガとは違って、
ヘタしたら何日も痛んだり、一生消えないような跡が残っちゃうのが、本当にやっかいです。
やけどを負ったときは、
とにかく迅速で適切な処置が大切!
「火傷しちゃった!正しい対処法がわからない!」とオロオロしている間に、やけどがヒドくなってしまう可能性があります。
今日は、【火傷の応急処置方法】【症状の判別】などを紹介します。
イザという時のためにも覚えておいて損はなし!ですよ。
スポンサーリンク
火傷の応急処置〜まずは「水」で冷やす!〜
やけどをした場合は、
流水で15~30分以上、冷やすことが大事!
このとき、患部に直接流水を当てずに、少し上の部分に当てるようにしましょう。
痛みが治まるまで、とにかく水で冷やす…を目安に覚えておいてくださいね。
服を着た状態でやけどをしたときは、絶対に脱がないコト!
無理に脱ぐと、布と一緒に皮膚がはがれてしまうことがあるんです。
服の上からドンドン流水を当て、冷やしましょう。
部位別の応急処置方法で覚えておくと便利!
「手」や「足」のやけどは…
手足には、蛇口から水道水を出し続けた状態で冷やしましょう。
「顔」や「頭」のやけどは…
シャワーなどで水をかけ続けましょう。
それが難しいときには、氷水で冷やしたタオルを当てて。
「目」や「耳」のやけどは…
タオルに保冷剤や氷を包んで冷たくして、冷やしましょう。
氷などを直接患部に当てると凍傷を起こすことがあるので注意!
「全身」など、広範囲のやけどは…
水をためた浴槽の中につけたり、水に浸したタオルで全身を包んで冷やしましょう。
体温が下がり過ぎると、低体温症になる恐れがあるので注意してください。
ヒリヒリ火傷に“ラップ”が効く!?
ラップを使ってやけどの手当をする、
『湿潤療法』(しつじゅんりょうほう)というのを知っていますか?
コレ、かなりオススメ!
自分も、バイクのマフラー(500℃くらい?)で、ジュ~ッ!と自分の足を焼いたことがあるのですが…
肉がエグれてドロドロになるほどのヒドイ火傷が、湿潤療法で根気よく手当したら、跡もほぼ残らず治ったコトがあるんですよ。
*用意する物*
- キッチンで使うラップ
- 医療用テープ
- 白色ワセリン
- 包帯
【ラップで火傷の治療をする方法】
- 患部を流水でしっかり洗い流す(洗うだけ!消毒液などは使わない)
- やけど部分をおおえるサイズにラップをカットする
- 白色ワセリンを火傷部分に塗って皮膚を保護する(ワセリンだけ!薬などは使わない)
- ラップの両サイドを医療用テープで止める
- 包帯を巻く
このように処置して、
あとは毎日、傷と周辺を水洗いしラップを交換して下さい。
夏などは汗をかくので、1日に数回ラップを取り換えて清潔にしましょう!
消毒液はバイ菌を強力に退治しますが、
逆に人間の本来持っている自然治癒力を奪うコトにもなり、傷の治りが遅くなるんです。
このラップ治療では、自然治癒力を最大限に活かすのがポイントになります。
自然治癒力を奪う、
消毒液・薬を使わないことが大事。
傷口から出る「浸出液」には、傷を治すために必要な成分がたっぷり。
傷を乾かさずに湿潤状態を保つことで、浸出液の力をしっかり使ってやけどがキレイに治るんです。
ガーゼをあてたりすると、
大事な成分が吸収されて自然治癒力が無くなってしまうのでダメですよ!
スポンサーリンク
舌をやけどした!ときの応急処置は?
熱い食べ物などでやけどしがちなのが、舌!
これも要注意ですね〜
舌をやけどした時の応急処置も、覚えておきましょう。
- すぐに冷たい水で、口を何度もしっかりゆすぐ
- 氷を口の中に入れ、とにかく冷やしましょう
口の中に食べ物のカスなどが残っていると、傷口から感染症などを起こす恐れがあります。
なので、まず「うがい」をすることが大切。
やけどのレベルを判断しよう!
やけどの症状は、
【どのぐらいの熱さのものが、どの程度の時間接触していたか】で決まります。
症状はⅠ度〜Ⅲ度に分けられているので、ざっと頭に入れておくとイザというとき心強いですよ。
Ⅰ度熱傷(1度熱傷)
Ⅰ度は、表皮のみの損傷。
- 発赤(皮膚が赤くなる)
- 腫脹(腫れ)
- ヒリヒリとした灼熱感や痛み
が症状です。
一時的に色素沈着することもありますが、数日で自然に治り、やけど跡は残りません。
浅達性Ⅱ度熱傷[SDB](浅達性2度熱傷)
浅達性Ⅱ度は、表皮基底層(真皮上層)までの損傷。
症状としては、
- 発赤
- 浮腫性腫脹(むくみ&腫れ)
- 水疱(水ぶくれ)→後に水疱は破れて、びらん(ただれ)をきたす
- 著しい痛みや灼熱感
がみられます。
色素沈着などがおきますが、だいたい3週間以内に、あまり跡が残らずに治癒します。
※やけど後のケアによっては、やけど跡が残る場合があります※
深達性Ⅱ度熱傷[DDB](深達性2度熱傷)
深達性Ⅱ度は、真皮深層までの損傷。
- 発赤
- 水ぶくれ・びらん
- 浅い潰瘍
- 痛みは軽度で、水ぶくれの下の皮膚が白くなる
といった症状です。
治癒までには1ヶ月以上かかり、軽度の瘢痕(はんこん)が残ります。
Ⅲ度熱傷(3度熱傷)
Ⅲ度のやけどは、皮下組織(皮膚の深いところ)までの損傷。
- 痛みを感じる神経も焼け死んでいるので、痛みは感じない
- 肌の表面が壊死している場合もある
- 損傷した表面は白く乾燥し、ひどいときは焦げている
- 水ぶくれはできない
といった症状です。
やけど跡は盛り上がったり、ケロイド状になったりして、はっきりと残ります。
皮膚が引っ張られる感覚や、機能障害が起こる場合もあります。
水ぶくれは潰していいの?
火傷につきものの水ぶくれですが、
水ぶくれは潰してはいけません!
水ぶくれが潰れると、肌の真皮がむき出しになってしまい、細菌などに感染しやすくなってしまうんです。
万が一、水ぶくれが破れた場合は、
局部を流水でキレイに洗い、前述の『湿潤療法』でしっかりケアをー!
清潔を保つことが重要ですよ。
ラップの湿潤療法が手間だな〜とか、外出先でやけどをしちゃった!という緊急事態のときは、
『キズパワーパッド』が絶対オススメ!
ラップと同じ湿潤療法が手軽にできる絆創膏です。(ちょっとお値段が高めなのが、ツライところですが…)
まとめ
- やけどをしたら、まずは流水で15~30分以上、しっかり冷やすべし
- ラップで手当をする、湿潤療法(しつじゅんりょうほう)がオススメ
- 舌のやけどは、 すぐに冷たい水でうがいをして、氷で冷やすべし
- やけどの症状はⅠ度からⅢ度に分けられているので要チェック
- 水ぶくれを潰すのは×!潰れてしまったら、湿潤療法でケアしよう
やけどは、最初の手当が肝心!
素早いケアをできたかできないかが、後に大きく関係します。
今日は応急処置の方法をご紹介しましたが、
「このくらいなら病院に行かなくてもいいかな〜」とは、絶対に思っちゃダメ!
適切な処置方法を知るためにも、専門医を受診することが基本だと、覚えておいてくださいね。
スポンサーリンク