タージマハール

あまり日本では広まっていないヒンズー教

「…なんかよくわからんけど、食事の制限がキビしい宗教」というイメージを持っている人、結構多いんではないでしょうか?

 

「牛肉を食べちゃダメなんでしょ?」

「イヤ、あれ?豚がダメなんだっけ?」

なーんて会話を、私も友人としたことがあります。

 

でもこれ、実際のトコロは、

  • 実は、ごく一部では牛肉も食べている
  • 野菜も禁止されているものがある

…ということを、知っていますか…!?

 

本日は、ヒンズー教の食べ物にまつわるアレコレをまるっとマトメます!

  • 結局、タブーの食べ物はなに?
  • なんで右手でたべるの?
  • インドにもマクドナルドあるらしいけど、ハンバーガーってダメじゃないの?

そんな疑問を、スッキリ解決しちゃいましょう!

 

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まず、ヒンズー教ってどんな宗教?

ハス

ヒンズー教というのは、

インダス文明の時代から、インド周辺に住む人たちの信仰が受け継がれてできた宗教。

インド国内で8.3億人、世界では約9億人もの信者がいて、キリスト教、イスラム教に次いで、信者が世界で3番目に多い宗教です。

 

3つの宗教の違いについてはコチラの記事で要チェックです!

【バカまじめに探究】キリスト教・イスラム教・ユダヤ教の違いとは!

 

「ヒンズー」というのは、サンスクリト語でインダス川のこと。

ペルシャ側から見て、「インダス川の対岸に住む人」という意味があります。

 

それぞれの土地で信仰されていた神様を取り込んで、信者を増やしていったので、

「ヒンズー教はいつ成立したのか?」というのは、様々な意見があり正確には分かっていません。

 

その結果、ヒンズー教には何百万という神様たちがいるんです。

  • 三神一体という、3人の神「ブラフマー」「ヴィシュヌ」「シヴァ」が本来は1体であるとする考えを持つ
  • 輪廻、解脱を信じる
  • 河川崇拝、菜食主義、聖牛崇拝の考え方がある
  • 四柱期に代表される生活様式や、身分・職業を含むカースト制がある

というような点が、特徴ですね。

 

食事のマナーやタブーが厳しい!

インドの食事

「とにかく食事に厳しい宗教」

というイメージを持っている方は、結構多いかもしれませんね。

ヒンズー教では「食べられる物」「食べられない物」がキッチリと分かれています。

 

牛も豚もアウト!

まず、ヒンズー教の特徴の中にも挙げた、「聖牛崇拝(せいぎゅうすうはい)」。

牛は神聖視されており、崇拝される対象なので、牛を食べるなんてもってのほか!ということ。

ほかにも、「豚」は不浄のものと扱われているので食べられませんね〜。

ですから、ヒンズー教で「肉」と言ったら、基本はのことだと思ってイイでしょう。

中には、羊やヤギを食べるという人も。

 

魚も貝もエビもアウト!

魚介類もNG!

生のものはおろか、火を通していてもダメ。カツオ出汁などのだし汁もいけないとされています。

基本的に、「先祖の魂が動物の形に生まれ変わっているかもしれない」という考えのため、

「動物」を殺したり、食べたりしない、ということなんですね。

 

野菜もアウトのモノあり!

さらに、野菜でも強い規制が敷かれています。

たいていのものは平気なのですが、

  • ニンニク
  • ニラ
  • ラッキョウ
  • タマネギ
  • アサツキ

などの、臭いのキツイものは禁止なんです。

 

ただ例外的ですが、ごくまれに、

牛肉を食べるヒンズー教徒も存在します。

 

ただしこの人達は、食糧不足から止む無く食べているという状況のことがほとんど。

特に、インドのカースト制度の最下層(ハリジャン)に位置する人が食べるようです。

 

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なぜ、牛を食べるのがタブーなの?

牛

さて、上記で述べた「聖牛崇拝」。コレ、なぜなのか気になるトコロですよね。

 

インドの人々にとって牛は、古代から飼育し農耕に使役され、開拓にも牛が不可欠でした。

特別な家畜として大事にされ、神聖視されるようになっていったんです。

 

神話にもたびたび牛が登場します。

例えば、シヴァ神の乗り物はナンディンという牡牛。

実社会でも、牡牛は移動・運搬・農耕に用いられますし、牝牛は乳を出します。

乾燥させた牛糞は貴重な燃料にもなるんです。

インドの生活に、牛は欠かせない生き物ということから、食のタブーとなっているわけですね。

 

もう1つは、ヒンズー教の特徴のひとつである、

「輪廻転生」(死んであの世に還った魂が、この世に何度も生まれ変わってくること)の考え方で、

最上位である人間に転生する前は【牛】である

と考えられているんです。

これによって、「牛を殺した者は、輪廻転生の最下段までやり直さないといけない」と言われています。

 

インドでは、牛はごくごく当たり前に街の中に牛がいます。

仮に邪魔だからといって蹴飛ばしでもしたら、牢屋にブチ込まれてしまうのでご注意を!

 

右手で食べるのはナゼ?

手

ヒンズー教徒は男女や利き手に関係なく、

右手で食べることを義務づけられています!

 

「食べ物」は【神から与えられた物】という考え方が強く、

  • 右手は清浄
  • 左手は不浄

という観念を徹底しているからなんですね。

 

昔はヨーロッパの方でも、似たような考え方があったようです。

30代以上ぐらいの方なら見聞きした覚えがあるかもしれませんが、

つい最近まで日本でも、左利きの子供は「しつけ」として右利きにさせられていたこともあります。

 

熱い物も手で食べる?

木のスプーン

結論から言っちゃうと、

ヒンズー教徒たちは、熱い食べ物を食べません。

 

もともと、手で食事をする習慣の国々では、熱い食べ物を食べるという習慣がありません!

やはり、「食べ物は自分の手以外は触れない」というのが、宗教上徹底されているんですね。

 

ただし例外として、

お代わりをよそうときは、木製のスプーンを使用するようですよ♪

マクドナルドとヒンズー教の共存のヒミツ

インド

食事習慣が厳しく、特に牛は聖牛として扱い食べない…というのは、前述した通り。

それでも、資本主義の権化ともいえるマクドナルドは人口が中国に次いで多い、インド市場に進出しない理由はありません。

 

かといって、西洋文化の牛や豚を、現地の人の口の中にムリヤリ入れるわけにもいきません。

そんなことした日にはインドの人たちから大反発を食らい、撤退を余儀なくされてしまいます。

 

そこでマクドナルドがとったのは、

インド店限定メニューに絞る!という戦略。

  • 牛肉や豚肉を使ったメニューは販売しない
  • メインとなる肉は鶏肉と羊肉に限定
  • 野菜で作ったコロッケをハンバーガーにするなど、菜食主義によりそうメニュー
  • 動物性の油を使わず、揚げ物には植物性油を使用するなど、細心の注意をはらう

などなど…!

 

日本や欧米ではまったく見られないメニュー展開をし、徹底した管理を行うことで、

宗教を踏まえた店舗展開をしているんです。

 

まとめ

  1. ヒンズー教とは、インド周辺に住む住人の信仰が受け継がれできた宗教
  2. ヒンズー教では「食べられるもの」「食べられないもの」がキッチリと分かれている
  3. 農耕に使役される牛は特別な家畜として神聖視されているので、食べるのはタブー
  4. 食べ物は神から与えられた物なので、清浄な右手で食べるという観念が徹底されている
  5. 手で食事をする習慣の国々では、熱い食べ物を食べるという習慣がない
  6. インドのマクドナルドはインド店限定メニュー で宗教を踏まえた店舗展開を行っている

 

正直、日本人からすると「超キビしい宗教…!」という感想を抱く人が大半かもしれません。

特に食事に対しての規制は現代の日本にはほとんどなく、理解の難しいところですね。

 

これから、日本とインドは、今よりもさらに友好関係が深くなると言われています。

当然、経済や文化的にも、交流が盛んになっていくシーンは多くなっていくでしょう。

そんなとき、日本とはかなり違う文化を持つインドについて、少しでも理解を深めておけたら、いいですよね。

 

オススメ記事はこちらです。

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