ユダヤ教の中には、
【超正統派(ちょうせいとうは)】と呼ばれる人たちがいます。
ユダヤ教の正統派の中でも特に、厳格に律法に従う立場をとる人たちのことです。
ハレーディー、ハレーディーム…なんて別名で呼ばれることもありますね。
イスラエルに旅行するときのために、ぜひ覚えておいてください。
超正統派の人は、メチャわかりやすい!
黒のスーツと帽子を着用しヒゲやモミアゲを長~く伸ばす、という伝統があるからなんです。
そう…日本で生活している私たちの常識では、ちょっと理解できないのがイスラエルの宗教。
今日はその中でも、
超正統派と呼ばれる人たちの服装と黒事情を、少し知ってみましょう。
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超正統派とは?
まず、イスラエルの人口は720万人です。
そのうちなんと!
ユダヤ人は、3/4を占めています。
ユダヤ人はざっくり言うと4つに分かれていて、
- 超正統派(黒い服を着て、ハットを被ってる人たち)
- 宗教派(普通の服装だが、律法を守ってユダヤ教を信じる人たち)
- 伝統派(宗教ではなく、民族の伝統として律法を守る人たち)
- 世俗派(宗教にも律法にも興味の無い人たち)
と言われています。
※この4つの分類は明確なモノではありません※
調べていくと実に様々な分け方があるのですが、今回はわかりやすくカンタンな4つにまとめています。
とくに4つ目、
“宗教にもユダヤの規律にも興味のないユダヤ人”というのも、統計学上では「ユダヤ教徒」に分類されるんですって。
つまり、【ユダヤ人=ユダヤ教徒】ということになってるんですね。
さて、この4つの中で、今日お話しするのは、1の超正統派について。
イスラエルに旅行したり写真を見たりしたら、探してみてください。
黒い服を着て、黒い帽子を被り、もみあげを伸ばしている男性がたくさんいることでしょう。
そう、その人たちこそが、
超正統派(ハレーディー)と呼ばれる、聖書の律法を厳格に守ろうとする人たちなんです。
黒い服装を着るのはナゼ!?
超正統派の男性は1年中、暑い日も寒い日も、
真っ黒なスーツに、真っ黒なハットを着用することで、ユダヤ人の代表的イメージを作っています。
超正統派の人々は、
「同じユダヤ人であっても、他の“正統派”や“改革派”などの宗派を認めない!」というスタンスが一般的。
また、「ユダヤ人国家の再建は、救世主『メシア』によってなされる」という思想を持っていますので、必然的に“イスラエルという国家の正統性”も認めていません。
そういった強い思想を、
独特な服装と行動様式を守り抜くことで、他のユダヤ人と自分たちを差別化している、と言えますね。
嘆(なげ)きの壁の正体とは?
エルサレムの岩のドームの西側にある、かつてのユダヤ教『第二神殿』の跡『嘆きの壁』
現在も毎日、ユダヤ教最高の聖地として訪問者が溢れています。
高さ15メートルのこの壁は、ユダヤ教徒にとって、栄光の時代を偲ぶことができる数少ない場所のひとつ。
神殿の崩壊を嘆くから…というのが、嘆きの壁という名前の起こりですが、
“夜露が降って壁が涙で濡れるようになるから”という説もあるみたい。
この壁は、
- 男性の祈りのための壁
- 女性用の祈りのための壁
に分けられています。
ただし男性が近づく際は、キッパと呼ばれるカッパの皿のような小さい帽子を身につけることが必要です。
ユダヤ教徒だけでなく、異教徒であっても近づくことは可能。
観光客用には、紙製のキッパが入口で借りられます!訪れた際には、ぜひご利用を♪
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なんで帽子(キッパ)をかぶっているの?
男性は、“キッパ”と呼ばれる帽子を被らなければなりません。
キッパを被ることには、
という意味が込められているんですって。
白や色柄のモノより、黒いキッパの方がより宗教的だそうです。
モミアゲとヒゲが奇抜だけど、その理由は?
超正統派の人達は、生まれてから一度もモミアゲを切ったことがありません。
ちょっと驚きですよね…!
そのせいで、超正統派の男性はみな、カナリ独特な髪型をしています。
これにはきちんと理由があり、聖書に、
「モミアゲは大事な場所である」
と記載されているからなんですって。
人によっては聖書の解釈が異なり、
顔に一切刃物を当てなかったり、こだわる場所もヒゲであったり、モミアゲだったり…なんだそう。
女性の服装にも決まりがあるの?
やっぱりあります。
超正統派ユダヤ教徒の女性には、
めちゃ厳しい【服装規定】があるんです〜。
- ヒジ・ヒザ・鎖骨の露出禁止
- 派手な色や模様の服装は禁止
- ボディーラインのでる服の着用は禁止
などがあります。
またさらに、既婚女性には、
- 髪を隠すこと
- ズボンをはかないこと
- ヒジやヒザを隠すこと
- 人前で素足にならないこと(ストッキング着用)
などの規則が…!
う~ん。日本の中学校の校則より、よっぽど厳しいじゃありませんか……。
安息日(シャバット)とは?
金曜日の日没~土曜日は、
ユダヤ人の『安息日』とになっています。
ユダヤ教では、安息日には仕事をしてはいけないんです!
…と聞くと、「日本の週末とおんなじイメージだよね」と思うでしょ?ぜんぜん違うんですよ~
安息日が言う仕事というのはこんな感じ。
- 料理を作る
- 車を運転する
- ゲームをする
- パソコンやスマホをいじる
- トイレットペーパーをちぎる
これ全部、仕事なんです(笑)
ですから、安息日には上記のことはできない、というワケ。もちろんこれ以外にもたくさんあります。
一応、安息日の趣旨というのは、
「休息日は仕事をせずに、家族と対話をしましょう」という事。
うーむ…ここまで禁止行為を多くしなくても、対話はできる気がしますが…(個人の感想)
念のため注意しておきたいのは、
安息日には交通機関もストップしちゃうし、国境も閉じているということ。
イスラエルへ旅行の際は、コレを考慮に入れないとダメだと頭のすみに置いておいてくださいネ。
まとめ
- 超正統派の男性たちは1年中黒いスーツやハットを着用する
- 「嘆きの壁」はユダヤ教徒にとっての聖地
- 男性は“キッパ”と呼ばれる帽子を被ることで、神に崇敬の念をもつことを示す
- 聖書に「もみあげが大事」と記載されているため、もみあげやヒゲを切らない
- 超正統派ユダヤ教徒の女性たちにも、露出禁止などの「服装規定」がある
- 金曜日の日没~土曜日は、ユダヤ人の安息日(仕事をしてはいけない日)である
超正統派の人々が写った写真を見たことがあります。
なんというか、みんな同じ服装をして、同じヘアスタイルをして…おとぎ話の中の様というか、浮世離れしているというか、
なんだか現実のものとは思いにくいような、不思議なオーラを感じたものです。
とっても奥が深い、イスラエルの宗教。
調べていくと、いろんな表情が見れて、面白いモノですよ。
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