9月のイベント、十五夜のお月見。
お月見といってイメージするものといったら…
- 三方にお供えされた白くてまんまるの月見団子
- 風にそよぐススキ
- 月で餅つきをしているウサギ
な~んてところでしょうか。
さてはて、こう並べてみて思うことですが、
「…なんで月見は、団子なの?」
「…なんで兎が月で餅つきを?」
このあたり、気になりませんか?
今回はそんな9月のロマンチックなイベント
『十五夜』にまつわる、【月見団子やうさぎの由来】について紹介しちゃいますよ。
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そもそも「十五夜」ってな〜に?
十五夜は、別名を「中秋の名月」(ちゅうしゅうのめいげつ)と言います。
旧暦の8月15日のことです。
これが中秋の名月だ!
確かに超キレイ♪私も思わず黙って見てしまいました…(撮影した方が上手いのもあるネ)
この後に説明しますが、「月に〇〇するようになった」という理由も納得!
【1:10〜2:25】がベストショットですよ。
旧暦では、月の数え方を
- 1月~3月を春
- 4月~6月を夏
- 7月~9月を秋
- 10月~12月を冬
と数えていたので、
「中秋」は8月になるわけですね。
旧暦では、月の満ち欠けが日付の決まりになっていて、月が新月になった日を<月の初め・1日としていました。
月は新月から約15日かけて満月になるので、昔の十五夜は必ず満月だったのです。
現在の「太陽暦」は、月の満ち欠けとは関係がないので、必ずしも満月にはならないようです。
また、秋は湿度や月の位置から、月が1番キレイに見えることが科学的にも証明されています。
これを知ってか知らずか、
昔の人は旧暦の8月15日を『十五夜』と呼んで、1年でいちばんキレイな月を見ようと、お月見を楽しんだ訳ですね。
なぜ、お月見といば「団子」なの?
では、「なぜ団子を食べるの?」「なぜススキを飾るの?」という、
お供え物関連の疑問を掘り下げていきましょう。
もともとの『お月見』は、
採れた季節の収穫物を食べながら、ただキレイな月を眺めているだけの行事
というものでした。
行事というほど大層なモノでもなく、人々のそういう習慣、という感じだったようですね〜
それが次第に、
- 豊作を月に感謝する
- 豊作を神様に感謝する
という意味が加わるようになり、
それに従って【お供え物】をするようになっていったのです。
「豊作を月に感謝」というのが、いかにも日本人の美学らしいですよね〜。
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月に似せた「丸いお団子」をお供えすることで、月に感謝を示そうと考えるようになっていきました。
また、稲穂に姿形の似ている「すすき」をお供えすることで、お米の豊作を願うように。
そして、この時期に収穫されるイモをお供えすることで、その年の豊作を感謝し、今後の豊作を祈ります。
お供えした物は自らもそれを一緒に頂くことで、
神様を「お・も・て・な・し」しているという意味をもちます。
これが、お供えするだけでなく、我々自身もお団子を食べる理由なんですネ。
月見団子は白くて丸い…だけじゃない!?
さて、このイラストにもある【白くてまんまるの月見団子】
多くの人が、月見団子と言ったらコレをイメージすることと思います。
だがしかし!
実はこの丸形の月見団子をお供えしている地域は、なんと日本の4割程度しかないって、ご存知ですか?
意外や意外、お月見団子は、地域によって形も味も様々なんです!
ざっくり分けるだけでも、こんな感じ。
<北海道/東北地方上部>
「おまんじゅう」
中にあんこが入った“まんじゅう”を供えます。“団子”じゃないんです!
<東北地方下部>
「白くてまんまる」
ただし、中には黄色いあんこが入っています。
このタイプの月見団子は、全体の2割弱ほどを占めます。
<関東地方>
「白くてまんまる」
お餅自体が甘く、中には何も入っていません。
この関東系の月見団子が、全体の2割強。
白くて丸い月見団子をお供えするのは、関東と東北下部合わせて4割程度ということ!
<関西地方>
「白くて細長く丸めた餅に、あんこ乗せ」
細長く丸めたモチは、「里芋」に見立てているんですって。
ちょうど十五夜の時期に実りを迎える里芋を“収穫の象徴”としてお供えにした、というのが、関西の月見団子の由来だそう。
<中国地方/四国地方>
「串団子」
団子は、あんこでくるんであることが多いようです。
みたらし団子やきな粉をまぶした団子などもあって、バリエーション豊富!
もちろんこれら以外にも、「ご当地お月見団子」がいっぱいあります~!
月見団子といえば白くて丸いモチだと思っていた人には、結構オドロキですよね。
「うさぎ」が月で餅をつく由来は切ないストーリー!
「…なんで、月にうさぎがいるの?」誰もが一度は思ったことのある疑問ですよね。
この疑問の答えには、
インドのジャータカ神話という言い伝えが有名。
【お月見とうさぎの悲劇の物語】
昔、人間に憧れた、
うさぎ、きつね、さるがいました。
この3匹は、“何かいいことをすれば人間になれるかもしれない”と夢を持っていました。
それを知った帝釈天(たいしゃくてん)という神様が、お腹を空かせた老人に扮して、彼らがどう行動するか見てみることにしたのです。
きつねとさるは、それぞれ持ち前の運動神経を活かして食料を採ってきました。
しかし、うさぎは何も採ってくることができません。
すると、うさぎは
「代わりに自分を食べて下さい!」
と火を焚き、自らそこに飛び込んでいったのです。
これを見た帝釈天は、
うさぎを可哀想に思い、また優しさに感動し、
月の神社にうさぎを祀りました。
月に祀られたうさぎは、
今でもお腹を空かせた老人のために、餅つきをしているのです。
予想外の、切ない物語。
うさぎは寂しがりやな動物…なんて言われますが、ホントはこんな一面もあるのかも。
まとめ
- 十五夜とは、旧暦の8月15日。 1年でいちばん綺麗な満月になる日。
- 月に似せた「丸いお団子」をお供えすることで、月に感謝を示している。
- 白くて丸い月見団子は、日本の4割程度。地域によって味や見た目は様々。
- 「月にうさぎがいる」のは、インドのジャータカ神話の中で、うさぎの行動に感動した帝釈天が月に祀ったことから。
今では、わざわざ団子を用意して、十五夜のお月見をする家庭は少なくなったかもしれません。
でもこうして紐解いてみると、今昔変わらぬ、日本人ならではの美学みたいのものを、ヒシヒシと感じるのは私だけでしょうか。
「なぜ、お団子を食べる日なのか?」
「どうして月に、うさぎがいるのか?」
これくらいは、日本人として、
我が子に聞かれたときにはスラスラと答えられる大人で、ありたいものですネ。
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