お歳暮の季節が来ると、毎回頭を悩ませる方もいるでしょう。
年の暮れに、“一年間、元気に過ごせた”ことへのお礼言上といえば簡単そうに思いますが、
立場や状況でそうもいかないのが難しいところですね。
デパートのお歳暮カウンターでお仕事させていただいて、皆さんお困り事が結構あるなと思いました。
諸論あるかとは思いますが、
私が覚えてきたことをお伝えさせていただきます。
ご活用くだされば幸いです。
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お歳暮を送る時期はいつ?
お歳暮を贈る時期ですが、
暮れのご挨拶ですから年末までです。
ただ、あまり押し迫ると正月を前に旅行に出られるなどお留守の場合もありますので、
気をつけなければいけません。
贈り始めですが、
- 関西では12月初旬から
- 関東では12月13日から
とされています。
12月13日のすす払いで、
家や仏壇の汚れを落としてから届けるためでした。
デパートなどのお歳暮カウンターが11月から開設され、少し前倒しになってきています。
さて、12月は何かと忙しく時期を逃してしまうことがあります。
その場合は「お歳暮」ではなく「お年賀」とします。
- 関東では1月7日まで
- 関西では1月15日まで
に着くようにします。
たいていのお歳暮カウンターでは、
クリスマス頃までの開設で「お年賀」の着日指定も受け付けてくれます。
年明けが3が日後の受付となる場合がほとんどですので、発送手続きは、年内に済ませるのがいいでしょう。
「お年賀」も間に合わない場合、
「寒中お見舞い」「寒中お伺い」があります。
「寒中お見舞い」は、
先方が喪中の場合でも送ることができます。
1月16日以降2月3日頃までに着くように贈ります。
この動画では、お歳暮って「なぜ送るの?」と思う方にピッタリの内容です。
お歳暮の由来
お歳暮と言うのは、
年越しに行われる「御霊祭(みたままつり)」にお供えした塩シャケ、するめ、数の子、塩ブリなどを
嫁いだ娘や分家の者が本家に持ち寄ったのが始まりとされています。
それが年末に帰省できないとか遠方のため行かれないというので、先祖供養のお供えものだけを本家に送るようになりました。
これが、形を変えながら今の形になり、
「お世話になった方に送る」という現在の「お歳暮」の由来です。
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お歳暮は返す必要はあるの?ないの?
お歳暮は、お返し不要と言われます。
贈る側から贈られる方への「感謝の気持ち」という意味合いが強いので、
お礼状で済ませるのが本来のマナーです。
現在では、贈る側贈られる側の立場が同等になり、お返しではなく「贈り合う」に変わってきています。
今後も「お歳暮」を贈り合うのであれば、熨斗(のし)は「お歳暮」でいいのです。
そうではなく今後は辞退したいのであれば、
一度だけ贈る意味合いの強い「お礼」「感謝」とするといいでしょう。
その場合は、
「今後はお気遣いなく」という文言で、一筆添えることも忘れないようにしましょう。
そもそも相手を気遣う気持ちのやり取りが形になったものなので、品物が行ったり来たりする形だけのものではありません。
気持ち良くお付き合いが続けられるよう、きちんと対処することが大切です。
冠婚葬祭と同時の場合は?
映像では喪中の時、お歳暮は送ってもいいの?
お葬式消費者相談の市川愛さんがわかりやすく話してくれます。
お歳暮は、お祝いではありませんので喪中の方に贈る、こちらが喪中の場合も贈っても問題はありません。
でも、同じお歳暮でも
通常の紅白の水引は避けるようにします。
無地の奉書紙(ほうしょがみ)または短冊に「お歳暮」と書きます。
ただし忌中、つまり
四十九日が過ぎていない場合は、贈らないようにします。
それから、お年賀の時期に届くのも避けます。
立場別のマナーや注意点!
会社の上司や取引先、習い事の先生、結婚すると仲人さんや親戚、義父母や自分の両親と送り先も様々です。
感謝のご挨拶ですから誰でも送っていいのです。
送らなければいけない相手という決まりはありません。
お歳暮は、一度送ったら毎年送り続けることになります。
仲人さんなどでは、何年かすぎると
「もういいですよ」と言ってもらえる場合もあります。
概ね3年でやめていいとされていますが、お付き合いの度合いで判断します。
注意しなければいけないのは、
送ってはいけないところがあることです!
国家公務員倫理法という法律がありますから、
公務員の方は「利害関係者」に当たる場合、物品の贈与が禁止されています。
できれば、送る前にご本人に確かめておいた方が無難です。
習い事の先生などでも、
送る人とそうでない人との格差が生じるのを嫌って、
全て禁止にしている方もいます。
逆に、最近になってお友達同士で贈り合うケースも出てきました。
こちらは、カジュアルで楽しんで送ることができますね。
<お礼状の書き方>
お歳暮を頂いたら、なるべく早くお礼状を出すようにします。
正式には、手書きで縦書きの封書が基本です。
難しい時は、横書きでもハガキでも、
すぐにお礼の気持ちを伝えるようにすることが大切です。
例文はこちら!
- 通常の頭語〜拝啓、謹啓など
- 時候の挨拶〜師走の候or歳末の候、、、又は皆様ますますお元気でご活躍のこととお喜び申し上げます。
- 頂いたお歳暮についてのお礼〜本日は、心温まるお品物をお贈りいただきまして、誠にありがとうございました。
- 相手の健康を気遣う言葉〜年末の多忙の折、皆様どうぞご自愛くださいませ。
- 結語〜敬具(拝啓に対し)、敬白(謹啓に対し)
- まずは、とりあえず書中をもってお礼申し上げます。
- 自分の氏名、役職など
時期に合わせて時候の挨拶を選びます。
また、頭語と結語の組み合わせを間違えないようにします。
渡し方のマナーは?
現在では宅配便でのお届けが増えていますが、持参して渡したほうがいい場合もあります。
訪問して、お渡しする時には
- 今年もいろいろお世話になりました。心ばかりですが、お納め下さい。
- 一年間、大変お世話になりました。ご挨拶の印にお持ちしました。
と言って手渡します。
注意する点がある場合は、
- 生ものなので、冷蔵庫に入れて早めにお召し上がりください。
- お好きだと聞いたので、この品を選びました。
などと添えます。
「つまらないものですが、、、」とは、
言わなくなりましたが、
もともとは「一生懸命に選びましたが、どんな品物もあなたが大変素晴らしい方なので、どんなものを差し上げてもつまらないものに思えてしまいます」という意味だったとか。
本来の意味は素敵だったのですね。
品物を貶めるようで、使われなくなってしまい残念ですね〜。
訪問時の注意点
事前に先方にお聞きして、都合のいい時に合わせて訪問します。
早朝と食事時は避けると言われていますが、
すぐに失礼する事と先方と合意の上なら問題ありません。
お渡ししたら、玄関先で失礼するようにします。
もし、部屋に通された場合は下座か部屋の隅で、
- 上記の挨拶
- 風呂敷包みを得、またはデパートの紙袋から出す。
- 相手が上書きを読める向きで両手で差し出す。
- 和室の場合は、両手で畳の上を滑らせるようにして差し出す。
品物によっては、
品物の説明をし部屋に上がることは避けます。
生ものやアイス、手土産程度のものがそれに当たります。
まとめ
- お歳暮は、十二月初旬から年内に届くように贈る。
- 感謝の気持ちなので、お返しは必要ない。
- お歳暮が届いたらできるだけ早くお礼状を出す。
- 忌中は、お歳暮を贈らない。
- 喪中に贈る場合には、無地の熨斗にし、水引はかけない。
- 時期を過ぎたら「お年賀」「寒中お見舞い」「寒中お伺い」とする。
年々、贈られることが少なくなってきたお歳暮ですが、もらうと嬉しいものです。
マナーを守って感謝の気持ちを伝えましょう。
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