おしるこ

寒さが厳し~い季節!こんな寒い冬の甘味といえば、そりゃもう、

温かい「おしるこ」「ぜんざい」が嬉しいですよね。

日本人なら誰もがホッとしちゃう優しい味、小豆を使った和のスイーツ!

 

しかし、「おしることぜんざいって何が違うん?」そう思った事がある人。

けっこう多いのでは?

 

さあ、そんな素朴な疑問を感じて、このページに辿りついたアナタ。

「おしるこ」と「ぜんざい」の違い、今日はハッキリさせてやりましょう!

 

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「おしるこ」と「ぜんざい」それぞれの定義は?

あずき

それではまず、「おしるこ」「ぜんざい」を、それぞれ辞書でひいてみましょう

辞書によって違いはありますが、おおよそこのような事が書いてあります。

 

お汁粉(おしるこ)

小豆あんを汁状にして、砂糖を加えて煮たものに焼き餅や白玉団子などを入れた食べ物。

御膳汁粉(ごぜんじるこ)・田舎汁粉(いなかじるこ)・汁粉餅(しるこもち)など。

 

善哉(ぜんざい)

善哉餅のこと。関西では粒あんの汁粉のこと。

関東では餅に濃いあんをかけたもの。

 

どうですか?…わかりませんね?(笑)

そう、辞書による定義を読んでも、よけいにコンガラがってしまうのです。

 

そもそも「ぜんざい」の定義が日本国内で統一されていなくって、関東と関西で、かなりの地域差があるみたいなんですよね。

 

そのせいで、「ぜんざいとおしるこの違いは、コレだ!」とズバリと言い切ることが難しいワケです。

でも、それじゃあスッキリしないでしょ?

 

次は、いくつかの視点から、ぜんざいとおしるこの「違い」に焦点を当てて、探っていきましょう!

 

関東と関西、呼び方の「違い」を見てみよう

ぜんざい

「小豆を煮た中に、餅などが入った料理」のことを、関東と関西では、次のように呼びます。

見ていきましょう!

関東での呼び方は…

  • 汁粉〜粒あん、こしあんで作ったもの〜
    • 田舎汁粉〜粒あんで作ったもの〜
    • 御膳汁粉〜こしあんで作ったもの〜
  • 善哉〜ほとんど汁気のない“練りあん”を、餅や粟などにかけたもの〜

関西での呼び方は…

  • 汁粉〜こしあんで作ったもの〜
  • 善哉〜粒あんで作ったもの〜
  • 亀山〜ほとんど汁気のない“練りあん”を、餅や粟などにかけたもの〜

う~ん、文字で読むと、ちょっと分かりにくいかもしれないですね。

図にすると、こんな感じです!

おしるこ表

例えば関西人の私としては、

「粒あんタップリのアツアツの汁」を「ぜんざい」と呼んでいるわけですが、

関東では「いなかじるこ」と呼ぶそうです…

“田舎”なんて、ショック!(泣)

 

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語源や歴史の「違い」を見てみよう

甘味処

まず、「おしるこ」と「ぜんざい」のそれぞれの由来を見て行きましょう。

*「おしるこ」の語源と歴史*

おしるこは「お汁粉」と書きます。

「小豆を砂糖で甘く煮た汁の中に、餅や白玉団子、栗の甘露煮などを入れた食べ物」のことですね。

 

昔は「つゆ=汁」「具や実=粉(こ)」と呼んでいて、「汁粉」と言ったら「具の入った汁」という意味。

そのため、具(お餅)の入ったつゆもの(小豆)の料理を、総じて「汁粉」と呼んでいたんです。

 

今のような、あずきの甘い「お汁粉」を指すようになったのは、砂糖が潤沢になった江戸時代以降。

餡(あん)汁粉餅」→「汁粉

と略して言うようになったのが有力な説です。

 

それ以前は、「甘いモノ」というより「汁物」というカテゴリーで、酒のツマミとして食べる塩味の料理という認識だったみたいですね。

*「ぜんざい」の語源と歴史*

ぜんざいは「善哉」と書きます。

やはりこれも、「小豆を砂糖で甘く煮て、中に餅や白玉団子、栗の甘露煮などを入れた食べ物」を指しますね。

ぜんざいの語源は、2説あります。

1.「善哉」説

「善哉」は元々、仏教語で「すばらしい」を意味するサンスクリット語『SADHU』の漢訳。

 

仏が弟子の言葉に賛成(さんせい)・賞賛(しょうさん)の意=(ほめる気持ち)を表すときに、

「それで良い」「実に良い」といった意味で使うようです。

 

仏教語である「善哉」がお汁粉を意味するようになった理由も、細かく分けると2説あります。

 

この料理を食べた僧が、

あまりの美味さに「善哉!」と賞賛したことが由来という説

 

または、一休禅師が初めて食べた際に、

「善哉!善哉(よきかな)〜」と味わったことが由来という説

 

などがあります。

 

2.出雲地方の神在餅(じんざいもち)説

出雲大社の「神在祭」で振る舞われる、

“神在餅”(じんざいもち)を由来とする説です。

 

神在餅の「じんざい」が訛(なま)って、

じんざい」→「ぜんざい

に変化したと言われています。

 

毎年11月25日、神々をお送りする神等去出神事(からさでしんじ)が執り行われ、

神前に供えていた餅と小豆を一緒に煮て小豆雑煮を作り、供えるという習わしがあります。

これを『神在餅』(じんざいもち)と呼び、

今も宮司宅では家例としてこの日に小豆雑煮を作って、歳神(としがみ)にお供えするようです。

 

小豆を砂糖で甘く煮て餅などを入れたもの、という面は、おしるこ・ぜんざい共に、共通していますね。

由来を読みといてみると、ぜんざいの方が、歴史が古い印象を受けます。

東西以外は?地方独特のおしるこやぜんざい

白玉

関東と関西の違いだけではありませんよ~!

ちょっと見ていきましょう。例えば……

【北海道】・【青森】

かぼちゃ汁粉』という、餅でなくカボチャを入れた料理があります。

【山梨県】

餅の代わりにほうとうを入れる『小豆ほうとう』がメジャー。

【長野県松本市】

餅の代わりに蕎麦がきを入れる『そばがき汁』が食べられています。

【沖縄県】

沖縄県で「ぜんざい」と呼ぶ食べ物は、砂糖や黒糖で甘く煮た金時豆に、かき氷をかけたもの!白玉などが入ることもあるそうです。

宮古島には「宮古あずき」と呼ばれる黒ささげを使った『宮古ぜんざい』も。

【高知県】

高知県の香長平野では、吸い物などのダシを取った後の「尾頭付きの鯛」を丸ごとぜんざいの中に入れて、宴席で取り分ける『鯛ぜんざい』という料理があります。

 

地域の特色の色濃く出た様々なおしるこがありますね~!

 

結局、「ぜんざいとおしるこの違いはコレだ!」というのは、

地域差があって一言でズバリとは言えない」というのが結論ですね。

 

東西差も含め、いろんな視点から両者の違いを考えてみましたが、果たしてこれが全てなのか?

関東出身の人と関西出身の人、またはそれ以外の地方に住んでいる人、いろんな地域のかたに聞いてみると、また面白いかもしれません。

 

まとめ

「おしるこ」と「ぜんざい」の違いは…

  1. 関東では、
    • 汁があるものが「おしるこ」
    • 汁のないのが「ぜんざい」
  2. 関西では、
    • こしあんで作るのが「おしるこ」
    • つぶあんで作るのが「ぜんざい」
  3. 名前の由来や歴史を紐解くとそれぞれ違うが、どちらも「小豆を煮た汁に餅などを入れた料理」という定義は同じ

と、覚えておけば、間違いはなさそうですね。

 

さて、アナタは「おしるこ派」?「ぜんざい派」?

出身地の違う友達同士で、フウフウと、お汁粉or善哉を囲みながら、そんな議論をしてみるのも、楽しいかもしれませんね。

 

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