紫陽花

五月雨。こう書いて「さみだれ」と読みます。

日常会話で口にすることは少ないかもしれませんが、小説や歌の歌詞なんかによく出てくるようなイメージ、ありますよね。

 

さて、この言葉。使い方の間違いが多い言葉としても有名なんですが、

みなさんは「五月雨とはなんぞや」を、正しく説明できますか?

 

今日は「五月雨」の意味や語源、それから、

ビジネスシーンで使われる五月雨式』という言葉の意味…

 

一挙にまとめておきましょう!

 

スポンサーリンク


「五月雨」の正しい意味を知っておこう!

梅雨

5月の雨、と書くので、

爽やかな緑の映える、5月に降る雨のこと…と思われがち。

 

『新緑の木々の間から、しずくがポタポタ落ちるような、シトシト降る雨…』

そんな、小説のワンシーンみたいな雨降りの光景を想像してしまいませんか?

 

コレ、厳密に言うと、間違いなんです。

 

五月雨の「五月」とは、旧暦の5月を意味します。

現在の暦でいうなら、6月のことなんですね!

 

つまり、五月雨の正しい意味は、

【梅雨の時期に何日も降り続く長い雨】のコト。

俳句で用いる時には、夏の季語になります。

 

「5月だから、まだ春かな?」と春の季語と間違われやすいんですが、

ココを間違えていると、俳句を読んでも意味が分からない解釈をしちゃったりするので要注意。

 

「五月雨式ですみません」ってなんのコト?

パソコン

五月雨=ずっと降り続く梅雨の雨。

したがって、五月雨式(さみだれしき)というのは、

  • 梅雨の雨のように、ダラダラと断続的に物事が続くこと
  • 一度にまとめず、とぎれながら何度か続けて行うこと

というような意味をもちます。

ビジネスやメールで使うなら…

実際の使い方としては、

「五月雨式で納品しており…」

→全部完成してからまとめて、ではなく、出来上がった部分から納品している。

「五月雨式でメールを送っておりますが…」

→連絡事項をまとめずに、複数に分けてメールしています。

なんていう感じですね。

「五月雨式ですみません」というのは、こういったやり方を謝罪していることになります。

 

システムやソフトウェアの開発現場などでよく使われるようですね。

急に言われて、「え、なに?雨?」とならないように、覚えておきましょう♪

 

スポンサーリンク


「五月雨」の語源

雨

五月雨の語源は、「さ」と「みだれ」を合わせて作られた言葉のようです。

  • 「さ」とは、五月(さつき)のこと。「耕作」を意味する古語。
  • 「みだれ」というのは、「水垂れ(みだれ)」を指します。

昔は、「五月雨る(さみだる)」という動詞として使われ、

「五月雨」というのは、あくまでもその名詞形だったみたいです。

 

現代では、梅雨の時期の雨にかけて「物事がだらだらと長く続くさま」を意味するので、

五月雨の別名…というか、似た言葉としては、

  • 止まる事なく 
  • 断続的に 
  • 続けざまに
  • 途切れ途切れに
  • のべつ幕無しに 
  • 引っ切り無しに

などがありますね。

 

梅雨の雨と言っても「じとじと小雨」ではない!

雨と道

「梅雨」と聞くだけで、なんとなく、「じとじと」「微妙な雨」なんていうイメージをしがちな日本人ですが、

実は梅雨って意外と、とくに後半の時期などはザーッと激しい雨が降るんですよね。

 

そう、基本的には、

「五月雨」と言ったら、そういった激しい雨の意味なんです。

俳句でも夏の季語を意味するように「夏の雨」ですからね。

 

有名な俳句で松尾芭蕉の、

「五月雨を あつめて早し 最上川」

というのがありますが、

コレも夏の情景を詠んだ句です。

 

ジトジトした小雨というよりは、強い激しい雨。

このほうが、「五月雨」という言葉のイメージに近い気がしますね。

 

この俳句についてはコチラの記事で詳しく説明しています。

【五月雨をあつめて早し最上川】の意味と季語は?実はヒヤリ経験だ!

 

五月雨と同じく、間違えやすい言葉たち

雨と緑

さて、今日ご紹介した【五月雨】の意味。「間違って覚えてたわ~」っていう人、いませんか?

大丈夫!私もワリと最近まで間違ってました(笑)

さて、今日はついでに、似ている間違い方をされがちな言葉を紹介しときますヨ!

【五月晴れ】(さつきばれ)

コレは、本当に間違いが多い言葉だと思います。

本来の意味は旧暦の5月、つまり現在の6月を指すので、梅雨時に垣間見られる晴れ間を表す言葉です。

もちろん夏の季語ですね。

ただ、最近では「新緑の清々しい晴れ」という意味で使われることも多いみたいです。

基本的には 「ごがつばれ」と読むと5月に相応しい表現になりますが、

今では「さつきばれ」という読み方でも、5月の晴れ間として認められつつあり、辞書などでもそのように注釈書きされています。

もちろん、本来この使い方は間違いなんですが、「国語」というのは時代に合わせて変わるもの。

間違った表現のほうを使う人数のほうが多くなると、言葉の意味そのものが変化するんです。

言葉とは、時代に適応した使い方をされる生き物だと、柔軟にとらえるのがイイのかしれませんね。

【五月雲】(さつきぐも)

旧暦でいう五月、五月雨の降るころの雲を意味します。

つまり、現代でいう6月の梅雨のころの、厚い雨雲ですね。

5月の爽やかな青空と白い雲~ではないんですよ~!

【五月闇】(さつきやみ)

もうみなさん、わかってきましたよネ(笑)

そうコレも、旧暦の5月を指している表現。

現在でいう梅雨の頃の夜の暗さ、その暗闇を表す表現として使います。

 

まとめ

  1. 五月雨の正しい意味は【梅雨の時期に何日も降り続く長い雨】。夏の季語。
  2. 五月雨式とは、梅雨の雨のように、ダラダラと断続的に物事が続くこと。
  3. 五月雨の語源は、「さ」と「みだれ」を合わせて作られた言葉。
  4. 五月雨とは、ジトジトした小雨でなく、夏の激しい雨の意味
  5. 似たような間違い方をしがちな言葉に「五月晴れ、五月雲、五月闇」などがある

いかがでしたでしょうか。

やっぱり日本人としては、日本語特有の「季節を大事にした表現」を、ちゃんと理解しておきたいもの!

ついでに、ビジネスシーンで使える「五月雨式ですみません」も覚えておけば、

ちょっと日本語マスターに、近づく……、かも、しれませんね。

 

こちらの記事も要チェック!

あなたも間違ってる?「なるほど」の正しい意味と目上に対する使い方!

小春日和の意味は!?いつの季語?ズレが想像以上でビックリ確定!

了解しました・承知しましたの違いは?敬語がデキると好印象!

 

スポンサーリンク